- グラフィックボード(GPU)って何か?なんのためのものなのか?
- どのような種類があるのか?
- 選び方やオススメは?
こんにちは!パソコン歴20年のセミクタです。
GPUやグラフィックボードという言葉を聞いたことはありませんか?
グラフィックスボード(GPU)はグラフィックスを処理に特化したボードのことです。
例えば、Unreal Engineやunityなどの3Dグラフィックエンジンで作成された3Dのゲーム(FF14やPSO2や黒い砂漠など)を高画質で楽しむ場合や動画編集ではグラフィックスカードが必要不可欠です。
グラフィックボードにはNVIDIA社のGeForce5000シリーズや4000シリーズ、AMD社のRadeon9000シリーズや8000シリーズ、Intel社のARCと各社で分けても3種類あり、NVIDIA社のGeForceが圧倒的な人気を得ています。また、各シリーズでもエントリー向け〜ハイクラス向けと幅広く選ぶのにも苦労します。
本記事では、グラフィックボードは何をする部品なのか、そして、選び方やオススメを紹介します。
グラフィックボードとは何か?役割と基本構造

グラフィックボードとは、パソコンで文字や画像、ビデオなどの視覚的な情報を処理するための専用ハードウェアのことです。このハードウェアは外付けされ、処理を行うGPU(Graphics Processing Unit)と呼ばれるチップが含まれています。
CPUとの違いとは?処理能力の役割分担
CPUとGPUとはでは、コア数や処理方法が異なります。詳細には以下の通りです。
CPU | GPU | |
---|---|---|
コア数 | 大きいコアが2~24個程度 (最大でも数百以下) | 小さいコアが数百~数千個 |
処理 | 複雑な処理を順番かつ高速に | 単純処理を同時に |
得意分野 | 汎用処理・OS管理 | グラフィック・並列計算 |
用途 | 文書作成、Web、一般アプリ | ゲーム、映像編集、AI開発 |
CPUとGPUではコア数が圧倒的に異なります。CPUは少ない大きいコアで複雑な処理を順番に実行するのに対し、GPUは小さいコアで単純な処理を同時に行うことに長けています。
そのため、CPUはWindowsやlinuxのような、OS管理や、Word、Excelと言った汎用的な処理を得意としています。
一方で、GPUは映像を出力するような処理や最近流行りのAIなどの並列処理を得意としています。
ゲームでGPUが必要な理由:処理のボトルネック解消
結論から言うとここ数年でサービス開始されたアニメ調のMMORPGや、3Dグラフィックスのタイトルを高画質以上でストレスなく楽しみたい方はグラフィックスカードは必須と言えます。
ゲームではCPUがユーザーの操作に対する制御処理やダメージ計算、エフェクト処理など、多数の複雑な処理をしており、GPUはその処理し終わった結果をモニターへ出力する処理を行っています。
ゲームにおけるGPUは映像の出力処理を担っていますので、3Dグラフィックスのような処理は非常に大規模な処理が必要ですので、高画質、高フレームレートでゲームを楽しみたいのであれば、グラフィックスカードの導入が不可欠になります。
「同じGeForce RTXでも違う」理由:メーカー・冷却・OCの違い
たとえば「GeForce RTX 5080」という名前のグラフィックボードが、ASUSやMSI、GIGABYTEなどさまざまなメーカーから販売されています。それぞれ形状が違ったり、動作クロックが微妙に異なっていたりするのを不思議に思ったことはないでしょうか?
これは、「GeForce RTX 5080」というのがNVIDIA製のグラフィックスチップ(GPU)そのものの名前であって、それを使って実際の製品(グラフィックボード)を作るのは各メーカーが独自に行っているからです。
各メーカーは以下のような部分を独自に設計・調整しています:
- 電源供給の仕組み(電源回路)
- 信号の伝送・制御(基板設計)
- 冷却性能(ファンの数、大きさ、ヒートシンクの設計など)
- 動作クロック(処理速度の設定)
そのため、同じGeForce RTX 5080でも冷却性能や動作の安定性、オーバークロック性能などが異なる製品がたくさん存在しているのです。価格もそれに応じて変わってきます。
グラフィックボードのチップの種類と選び方

グラフィックボード(GPU)には、いくつかのメーカーがあり、それぞれ特徴や強みが異なります。現在の主なブランドは以下の3つです
- NVIDIAの GeForce
- AMDの Radeon
- Intelの Arc
それぞれの違いや選び方について、初心者でもわかるように解説します。
✅ NVIDIA GeForce|ゲーマーから圧倒的支持を受ける定番GPU【シェア88%】
NVIDIAのGeForceシリーズは、現在もっとも人気のあるグラフィックボードブランドです。2024年の調査によると、ディスクリートGPU市場で約88%という圧倒的なシェアを誇ります。
- 高いゲーム性能と安定した動作
-
特に3DゲームやFPSなど負荷の高いゲームに強く、最新のゲームでも高画質で快適にプレイ可能。
- GeForce Experience 対応
-
スクリーンショットや動画の録画・配信が簡単。さらに、ゲームごとに最適な設定に自動調整してくれる便利なソフトウェア付き。
- AIや画像生成用途にも強い
-
NVIDIAのCUDAコアやTensorコアを活用し、画像生成AI(例:Stable Diffusion)や動画編集、AIアプリでも高い処理能力を発揮。
初心者〜上級者まで幅広く対応しており、「どれを買えばいいかわからない」という人はまずGeForceシリーズから選ぶのが無難でおすすめです。
✅ AMD Radeon|コスパ重視で選ぶならこちら
AMDのRadeonシリーズは、GeForceに次ぐ人気を持つGPUブランドです。性能はやや劣る場面もありますが、価格に対するパフォーマンス(いわゆるコスパ)は非常に優秀です。
- 比較的安価で入手しやすい
-
ミドルレンジモデル(例:Radeon RX 6600など)は価格が抑えられており、フルHDゲーミングに最適
- Radeon Software Adrenalin 対応
-
オーバークロック、モニタリング、画質調整など多機能な設定が可能。
- 電力効率がよいモデルも多数
-
消費電力が少なめの製品もあり、省電力PCにも向いています。
価格を抑えつつある程度のゲーム性能を求める方におすすめです。
✅ Intel Arc|今後に期待の新興GPUメーカー
IntelのArcシリーズは、2022年に登場した新しいディスクリートGPUブランドです。長年CPUメーカーとして知られるIntelが、初めて本格参入したグラフィックス市場での製品です。
- 価格は比較的安価
-
ミドルレンジの製品(例:Arc A750など)はコスパが高い。
- 性能は不安定な場面も
-
一部ゲームではドライバー最適化不足が見られ、GeForceやRadeonに比べて互換性や安定性に課題あり。
現時点では初心者にはやや扱いづらい部分もあり、積極的におすすめはしにくいものの、コスト重視や新しい製品に興味がある人は試す価値があります。
グラフィックカードの必要性とは?用途別の解説

パソコンでゲームや動画編集をしたいと考えている方にとって、「グラフィックカード(GPU)は必要なのか?」という疑問はとても重要です。
ここでは、用途ごとにグラフィックカードの必要性をわかりやすく説明します。
🎮ゲームを快適にプレイするならグラフィックカードは必須!
最近のゲームはアニメ調のゲームや非常にリアルな作品が多く、カクツキなども無く動かすには大きな処理能力が必要です。この処理を担うのがGPU(グラフィックカード)になります。
ゲームジャンル | グラボの必要性 | 理由 |
---|---|---|
RPG(FF14、黒い砂漠など) | 中〜高 | 美麗な3Dグラフィックを表示に必要 |
FPS(Apex、フォートナイトなど) | 高 | 高フレームレートでの描画が重要 |
スポーツ(eFootballなど) | 中〜高 | 高フレームレートでプレイ感が上昇 |
とくにApex LegendsやフォートナイトのようなFPS系のゲームでは、「60fps以上のなめらかな動き」が勝敗に直結するため、ディスクリートのグラフィックカードはほぼ必須と言えます。
以下の記事でゲームジャンル別の必要なフレームレートを解説していますので、気になる方は確認してみてください。

🎥動画編集・画像処理にもグラボは効果大!
ゲームだけでなく、動画編集・画像処理・3Dモデリングといったクリエイティブ用途でもGPUは重要です。
- Premiere Pro、DaVinci Resolve などの動画編集ソフト:書き出しやエフェクト処理のスピードが大きく向上
- PhotoshopやIllustratorなど:レイヤー効果や高解像度画像の処理が快適に
- BlenderやMayaなどの3DCG制作:GPUがないと動作が重く、レンダリング時間が長くなる
クリエイター用途では、CUDAコアを搭載したNVIDIAのGeForceシリーズが特に人気です。多くのソフトがNVIDIAのGPUに最適化されています。
🤖 AI生成・機械学習用途でもGPUは大活躍!
最近では画像生成AI(Stable Diffusionなど)やChatGPTのようなAIモデルをローカルで動かす用途でもGPUの重要性が高まっています。
- GeForce RTXシリーズはTensorコアやVRAM(グラフィックメモリ)が充実しており、AIモデルの処理が速くなります。
- CPUだけでは処理時間が数分〜数十分かかるような計算が、GPUを使うことで数秒〜数十秒で終わることも。
✋ 一方で、軽作業やネット閲覧だけなら必要なし
もしあなたの用途が以下のようなものであれば、高性能なグラフィックカードは必要ありません
- YouTubeなどの動画視聴
- ブログ・SNS投稿
- オンラインショッピングやネットサーフィン
- ExcelやWordなどの事務作業
このような用途であれば、内蔵GPU(インテルのiGPUなど)で十分です。
「結局どのグラフィックボードを買えばいいの?」と迷っている方へ。

このセクションでは、用途・予算・初心者の安心感を基準に、2025年時点でコスパと性能に優れたおすすめグラフィックボードを厳選してご紹介します。
初心者の方でも安心して選べるよう、使い道別にわかりやすく紹介しています!
グラフィックカードの選び方としては、以下のことを検討しておく必要があります。
- 現在、どのようなことを理由にグラフィックボードを変えたいのか
- 今後、どのような用途でパソコンを使うのか
- 予算はどのくらいなのか
以下ではどのようなことをやりたいのかを基準に、オススメのグラフィックボードを紹介していきます。
🎮 ゲームを快適にプレイしたい人におすすめ
✅ GeForce RTX 4060(NVIDIA)|フルHDゲームの王道モデル
- 価格帯
-
45000〜60000円程度
- 性能
-
フルHDでの高設定ゲームプレイが快適
- おすすめ用途
-
FF14、黒い砂漠、eFootballなどのFPS以外のゲーム

「コスパ重視で失敗したくない」ならまずこれを選んでおけば間違いなしだね


✅ GeForce RTX 5060(NVIDIA)|RTXの5000シリーズのミドルレンジGPU
- 価格帯
-
55000〜70000円程度
- 性能
-
フルHDでの高もしくは最高設定ゲームプレイが快適
- おすすめ用途
-
FF14、黒い砂漠、Apex、eFootboallなどのゲーム(ほとんどのゲームがフルHDでプレイ可能)



2025年に発売したRTXの5000シリーズのミドルレンジGPUが 6万程度で買えるので、予算が出せればこちらの方がオススメ!


🤖 AI画像生成や動画編集もこなしたいなら
✅ GeForce RTX 5070(NVIDIA)|AI処理にも強い万能GPU
- 価格帯
-
約10〜12万円
- 性能
-
4K編集や画像生成AIもサクサク動作
- おすすめ用途
-
Stable Diffusion、動画編集、軽い3Dモデリング



生成AIをサクサク動かして試したい方や高解像度の動画編集をガッツリやる方にはオススメ!


💰 低予算でもしっかり使えるモデル
✅ GeForce RTX 3050(NVIDIA)|価格重視で選ぶならこれ!
- 価格帯
-
25000~35000円程度
- 性能
-
フルHDゲームなら快適、価格のわりに高性能
- おすすめ用途
-
2Dゲームや3Dゲーム(フルHD)で中画質程度



低価格でもそこそこの性能なので、3Dゲームでも画質を求めないのであれば、RTX3050はオススメ!


🖥️ ゲーミングPCにインパクトを出したいなら
✅ GeForce RTX 5080(NVIDIA)|4K・最高画質でも超快適
- 価格帯
-
約20〜30万円
- 性能
-
現行GPUの中でもトップクラス
- おすすめ用途
-
4Kでのゲーム、プロレベルの映像制作



4Kでゲーム遊びたい方や、爆速で動画編集や生成AIを使いたい方向けです。


よくある質問:グラフィックボードQ&A
- Q1. グラボなしでゲームできますか?
-
軽いゲームなら可能ですが、快適にプレイするにはグラボが必要です。
パソコンには「内蔵GPU(グラフィック機能)」が搭載されていることが多く、マインクラフトや2Dゲームなど軽いゲームであれば動くこともあります。
しかし、以下のようなケースではディスクリートのグラフィックボードが必須です:
- 最新の3Dゲームを快適に遊びたい
- 高画質設定でスムーズな動作を求める
- ゲーム中に録画や配信もしたい
「遊べる」と「快適に楽しめる」は別物なので、本格的にゲームをするならグラボは必ず用意したいところです。
- Q2. 内蔵GPUと外付けGPUの違いは?
-
性能と用途が大きく違います。
項目 内蔵GPU 外付けGPU(グラボ) 性能 低め(基本作業向け) 高性能(ゲーム・編集向け) 目的 ブラウジング、軽作業 ゲーム、映像制作、AI処理 消費電力 低い 高いがその分高性能 パソコンの価格 安く抑えられる やや高くなるが性能もアップ 外付けGPUは専用のパーツなので、ゲームや3D編集、画像生成AIなど負荷のかかる作業には必須となります。
- Q3. ノートPCでも外付けGPUは使えますか?
-
いいえ、専用グラフィックスボードは使用できません。
ノートPCの場合は既にGeForce RTX ○○が搭載されているパソコンを購入するしかありません。
- Q4. グラボを使うとどれくらいゲームが変わるの?
-
世界が変わるレベルで快適になります!
たとえば、同じゲームでも…
- 内蔵グラフィックス:カクカクして動きが不安定
- 外付けグラボ(例:RTX 4060):60FPS以上でなめらかに動く、高画質で没入感アップ
特にFPS・MMORPG・オープンワールド系では、グラフィックボードの有無でゲーム体験が劇的に変わります。
- Q5. グラボの取り付けって難しいの?
-
基本的には差し込むだけ!初心者でも意外と簡単です。
- スロットに差し込む
- 電源ケーブルをつなぐ
- ドライバをインストールする
これだけでOK。最近はYouTubeなどで手順動画も豊富なので、初めてでもチャレンジしやすくなっています。
✅ まとめ:あなたの「やりたいこと」に合った1枚を選ぼう!
グラフィックボードは、「何に使うか」さえ決まれば選びやすくなります。
もし「スペック表を見てもよくわからない…」という場合は、以下を目安に選ぶと失敗しにくいです。
あなたの使い方 | 目安のGPU | 価格帯の目安 |
---|---|---|
軽めのゲームを遊びたい | RTX 3050 / RX 6600 / RX 7600 | 2.5~3.5万円 |
最新ゲームを高設定で遊びたい | RTX 4060 / RTX 5060 | 4.5〜7万円 |
AI生成・動画編集もやりたい | RTX 5070 | 10万円以上 |
長く使えるハイエンドが欲しい | RTX 5080 | 15万円以上 |
今のパソコンに満足していないなら、グラフィックボードの導入がもっとも効果を感じやすいカスタマイズです。この記事を参考に、ぜひあなたにぴったりの一枚を選んでみてください!
それでは良きゲームライフを!